古いMovable Typeを使い続けていませんか?今こそMT9に移行すべき理由

<目次>

    今こそ、Movable Type 9への移行を検討すべきタイミング

    「今のMovable Typeで特に問題ないし、わざわざバージョンアップしなくても…」 そう考えて、古いバージョンのまま運用を続けていませんか?

    実は、古いバージョンのCMSを使い続けることは、サーバー環境の変化、セキュリティ上の脅威、管理画面の使いづらさによる更新頻度の低下──これらの見えないリスクを抱えることにつながります。

    10月にリリースされたMovable Type 9は、セキュリティ強化操作性の向上など、使いやすさが大きく進化しました。
    「そろそろアップデートしなきゃ」と感じているなら、今がまさに移行を検討すべきタイミングです。

    古いMovable Typeを使い続けるリスクとは?

    古いMovable Typeには、運用の安定性や安全性に関わるリスクが潜んでいます。
    ここでは、特に注意しておきたい2つのポイントを紹介します。

    1)サポート終了によりセキュリティ面のリスク

    古いバージョンのMovable Typeを使い続ける最大のリスクは、セキュリティアップデートが提供されなくなることです。
    サポートが終了すると、新たに発見された脆弱性への修正が行われず、不正アクセスや情報漏えいのリスクが高まります。特に企業サイトや顧客情報を扱うWebサイトでは、信頼性を損なう重大な問題につながりかねません。

    Movable Type 9では、複数のセキュリティ脆弱性が修正されているほか、ログイン情報などを管理する仕組み(Cookie)のセキュリティが強化され、不正アクセスへの防御力が向上しました。さらに、多要素認証(MFA)の必須化設定が可能になり、管理画面へのアクセスをより厳格に管理できるようになりました。

    セキュリティは「トラブルが起きてから」では遅すぎます。予防的な対策として、最新バージョンへの移行は不可欠です。

    2)PHPやデータベースのバージョン非対応問題

    サーバー環境は日々進化しており、PHPやMySQLといったミドルウェアも定期的にバージョンアップされています。レンタルサーバーやクラウドサービスでは、古いバージョンのサポートが終了して使えなくなることもあります。

    古いMovable Typeのままでは、最新のPHP 8.4やMySQL環境に対応できず、 サーバー移転やリニューアル時に「動かない」「エラーが出る」といったトラブルが発生する可能性があります。その結果、対応に手間やコストがかかることも少なくありません。

    Movable Type 9はPHP 8.4に正式対応しており、最新のサーバー環境でも安定して動作します。データベース接続時のエラー検出も強化され、問題の早期発見が可能になりました。将来的な環境変化にも柔軟に対応できる点は、長く安心して使い続けるうえで大きなメリットです

    Movable Type 9への移行で得られる3つの進化

    Movable Type 9では、これまでの使いやすさをそのままに、運用効率や安全性が大きく進化しました。
    ここでは、特に注目すべき3つのポイントを紹介します。

    1)操作性の大幅向上

    Movable Type 9では、管理画面とリッチテキストエディタが全面刷新されました。

    管理画面のポイント:

    • よく使う機能に素早くアクセスできるよう、ボタンの配置が改善
    • 左サイドバーの折りたたみ機能で、コンテンツ編集画面を広く使える
    • スマートフォンにも対応し、外出先からでも記事の確認や簡単な修正が可能

    リッチテキストエディタのポイント(前回記事で詳述):

    • 画像やリンクも直感操作。ビジュアル編集がラクに
    • Markdown記法やHTML編集、スラッシュコマンドに対応
    • サムネイル一覧から直感的に画像を選択できるUIに改良

    「更新作業に時間がかかる」「操作を覚えるのが大変」──そんな悩みを解消し、日々の更新がぐっとラクになります。更新しやすくなることで発信頻度が上がり、サイトの鮮度を保つことが、SEOやユーザー満足度の向上にもつながります。

    2)安心の長期サポート

    【引用】Movable Type 9.0.4 リリースノート ライフサイクルポリシー

    Movable Type 9では、ライフサイクルポリシーが見直され、より計画的な運用が可能になりました。

    主なポイント:

    • 正式リリース1年後にLTS(長期サポート)版がリリース
    • LTS版は最長4年間のサポートが受けられる
    • 非LTS版でも1年間のセキュリティアップデートを提供

    また、現在Movable Type 8系をお使いの場合も安心です。MT 8.8.xはサポート期間が3年から4年に延長されました。大規模サイトの場合は、まず8.8系へ移行し、その後9.3.x以降のLTS版へ段階的にアップグレードする方法も選べます。

    「バージョンアップのタイミングがわからない」「頻繁なアップデートは負担」という企業にとって、この長期サポート体制は大きな安心材料です。

    3)柔軟な移行環境 ― クラウドもオンプレも対応

    Movable Type 9でも、従来同様にソフトウェア版(パッケージ版)とクラウド版の両方が提供されています。

    今回のバージョンでは、クラウド・オンプレミスいずれの環境でも安定性とパフォーマンスが向上し、より快適でスムーズな運用が可能になりました。
    それぞれの特性を踏まえて、自社に合った形態を選ぶのがポイントです。

    ソフトウェア版が向いているケース:

    • 既にある環境にインストールして使いたい
    • オンプレミス環境の社内システムと連携させたい
    • 複雑なカスタマイズが必要

    クラウド版が向いているケース:

    • サーバー管理やセキュリティ対策の手間を減らして運用コストを抑えたい
    • 自社およびレンタルサーバーで運用中の旧バージョンMovable Typeを最新版にしたい
    • 常に安全な環境で、快適に利用したい

    「サーバー管理の負担を減らしたい」「社内にインフラ担当者がいない」という場合は、クラウド版への移行が有効な選択肢です。一方、既存のサーバー環境を活かしたい場合や、独自のカスタマイズが必要な場合は、ソフトウェア版でのアップグレードが適しています。

    弊社では、お客様の環境や運用体制に応じて、ソフトウェア版・クラウド版に加え、レンタルサーバー型のMovable Type.netなど、最適な移行方法をご提案しています。

    計画的に進めて、安全かつスムーズにアップデート

    Movable Type 9は、セキュリティの強化、操作性の向上、長期サポート体制という安心して使い続けられる環境を提供していますが、バージョンアップには既存のカスタマイズやプラグインとの互換性確認など、丁寧に進めるべきステップがあります。焦る必要はありませんが、現状を正しく把握し、計画的に進めることが大切です。

    AMRでは、これまで多くのMovable Typeサイトのアップグレードを手がけてきた実績があり、事前調査からテスト、本番適用、運用サポートまで一貫してサポートしています。「自社だけでは不安」「できるだけダウンタイムを短くしたい」という場合は、ぜひご相談ください。

    Movable Type 9への移行は、より安全で、より快適なWebサイト運用への第一歩です。
    今こそ、計画的な移行を検討しませんか?

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    使いやすくなったリッチテキストエディタ:Movable Type 9で社内更新がスムーズに